音楽教室からの著作権料徴収は”文化の発展阻害”
朝日新聞 7月21日版から転載
ピアニストでもある橋本阿友子弁護士 談
「音楽教室で現代の人気の楽曲が演奏されることで、作曲家に不利益があるとは考えがたく、むしろむしろ生徒が購入するなどCDの売り上げに貢献する可能性もある。JASRACが勝訴し、音楽教室が使用料支払いを避けようと現代の曲を使わなくなれば、権利者の利益にならないのではないか。
”カラオケ法理”を根拠に、JASRACは様々な業態から著作権料を徴収し、裁判所もそれを認めてきた。だが、この法理を拡大的に適用してきた司法判断の妥当性には疑問があり、音楽教室にまで適用するのは問題だ。
音楽教室での生徒の演奏は講師の指導を受けるためで、歌うこと自体を楽しむカラオケの歌唱と同一視はできない。講師の演奏は、技術や楽譜の解釈などを教えるのが目的で、曲全体にわたることは少ない。著作権法は権利保護と公正な利用のバランスを図っている。保護しすぎると著作物が使われにくくなり、文化の発展が阻害される。JASRACによる徴収対象拡大や激しい権利主張にはそういうリスクがある。」
論旨明快。(著作権法の専門家でなく)ピアニストとしての 橋本阿友子さん、コンサートに出かけます。 (HN)